自然とふれあいながら野菜を育てる家庭菜園や市民農園は、心身のリフレッシュだけでなく、生活を豊かにする「実用性」も兼ね備えた素晴らしい趣味です。50代女性だけでなく、あらゆる世代におすすめしたい活動の一つです。
家族や友人と一緒に、またはソロ活としてスタートして仲間を増やしていく楽しみや可能性もあります。

今回は野菜栽培のメリットから、始め方、家庭菜園の初心者におすすめの野菜ランキングもご紹介。

家庭菜園や市民農園を始めるメリットとは

季節ごとの作業や収穫の喜びは、日々の生活にリズムと達成感を与えてくれます。身体を動かし、土に触れることはリフレッシュ効果もあります。野菜作りは趣味としての充実感以外にもたくさんのメリットがあります。

新鮮で安全な野菜を収穫できる

自分で育てた野菜を収穫できる喜びに加え、新鮮な状態で食卓に並べることができます。とれたての野菜は栄養価も高いと考えられています。
また、農薬の使用量をコントロールできるため、安心・安全な食材として家族にも喜ばれます。

食品価格上昇への備えとして

近年の円安や燃料・輸送コストの高騰、気象による不作等の影響で、野菜の価格はやや不安定な傾向にあります。そんな中、家族が食べる野菜の一部を自分たちで育てることは、家計の節約にもつながりますね。

子どもや孫への食育にも有効

野菜を種から育てて収穫するまでの過程は、食べ物の大切さや自然の営みを実感する貴重な機会。農業の大変さ、農作物への感謝の気持ちを家族で分かち合うことは、世代を超えた温かなコミュニケーションにもつながります。

輸入依存脱却を意識

日本の食料自給率は低く、野菜に関しても20%程度が輸入となっています。少しでも自分たちで育てることで、食料自給率の向上に貢献する意識の向上に役立ちます。

緊急時の備えとして

災害や物流トラブルなど、食料供給が不安定になる可能性もあります。そんなとき、自宅や近くの畑で育てた野菜があることは、家族を守る手段になります。古来からの食料保存の方法などをあらためて学び、万が一の事態に備えて練習する機会にもなります。

自分で野菜作りをするにはどんな手段があるか?

家庭菜園

最も手軽な方法は、自宅の庭やベランダ、日当たりの良い場所で、プランターや鉢を使って気軽に始める家庭菜園ですね。ハーブや葉物野菜など、ホームセンター等で売っている苗を購入しスタートすると成功しやすいです。

市民農園

自治体が提供している貸し農園です。比較的安価に数平方メートルの区画を借りられ、同じ趣味を持つ人と交流できるのも魅力です。
農林水産省によると、全国で約4,300か所、1万ヘクタール前後(2023年時点)の市民農園が運営されています。利用者数は全国で推定約20万人前後、年代別では60代以上が半数以上を占めていますが、コロナ禍以降は若いファミリー層の利用も増加傾向にあります。

市民農園の課題

前述しましたが、市民農園の利用者の多くが高齢化し、今後の継続的な利用が難しくなっていケースが多くあります。
さらに、市民農園は郊外や交通が不便な場所が多く、アクセスの不便さから若年層に敬遠される傾向にあります。
経験の少ない人にとって農作物の栽培はハードルが高く、初心者向けのサポートや支援も必要になっています。

東京にある自治体運営の市民農園
練馬区の区民農園は利用料が安価で、地域住民に人気があります。

利用料:月額400円程度
区画面積:約15㎡(約10畳弱)
設備:水道、共用農具庫、簡易トイレ、ベンチ設置

行政や自治体に求められる支援

初心者向けの技術サポート(講習・YouTubeやSNSでのワンポイントアドバイス)
若年層や子育て世帯の参加促進
空き地・耕作放棄地の有効活用とマッチング支援

シェア畑

そこで市民農園よりハードルが低く、初心者でも比較的気軽に安心してチャレンジできるのが「シェア畑」です。
「シェア畑」は、農具・種・苗・肥料・水道などが完備され、経験豊富なアドバイザーのサポートも受けられるため、初めての方でも安心して始められます。都心部や住宅地近郊に増えてきています。

東京都内の人気のシェア畑

シェア畑 仙川 伊藤農園(調布市)

  • 京王線「仙川駅」から徒歩3分とアクセス良好。
  • 大型農園で、家族連れにも人気です。

シェア畑 葛飾柴又(葛飾区)

  • 京成高砂駅から徒歩5分。
  • 知識豊富なアドバイザーのサポート

シェア畑 駒沢(世田谷区)

  • 都心から近く、手ぶらで通える。
  • 家族での農業体験に◎。

お近くのシェア畑を探してみたい方は、こちらのサイトをご確認ください!

体験農園なら貸し農園(市民農園)のシェア畑

初心者におすすめ!育てやすい野菜ランキング TOP10

野菜作りが初めてでも、小さなベランダのプランターでも比較的育てやすい野菜トップ10をご紹介。自分で育て収穫した野菜でお料理をしたり、食卓に並ぶ日を楽しみに是非チャレンジしてみてください!

1位:ミニトマト

発芽・成長が早く、実がたくさんなるのでやりがいあり。少しのスペースでも育てられ、見た目もかわいく、甘くて濃厚なトマトができると幸せな気持ちになります。

ポイント:日当たりのよい場所で育てると甘みが増します。

2位:バジル

成長が早く収穫もこまめにできる。料理(パスタ、サラダ)にも使いやすく、香りも楽しめます。1位のミニトマトと組み合わせてイタリアンメニューもおすすめです!

ポイント:摘芯(てきしん)すればどんどん増えていきます。

3位:サニーレタス(リーフレタス)

種まきから収穫まで早い。外側の葉から順に収穫できるので長く楽しめます。

ポイント:害虫に強く、夏以外はわりと通年育てられます。

4位:青じそ(大葉)

ぐんぐん伸びて、たっぷり収穫できる。和食によく合い、冷奴やそうめんに大活躍。

ポイント:発芽まで少し時間がかかりますが、一度育てば手間いらずです。

5位:きゅうり

つるを伸ばして育つので、縦にスペースを活かせる。毎日のように実がなるので達成感あり。

ポイント:発芽まで少し時間がかかりますが、一度育てば手間いらずです。

6位:小ねぎ(万能ねぎ)

水耕栽培もOK。薬味に便利で、収穫してもまた生えてくる。

ポイント:切って使いながら再生栽培も可能。

7位:ラディッシュ(はつか大根)

発芽・生育が非常に早く、20〜30日で収穫可能。赤くて丸い形がかわいく、サラダに映えます。

ポイント:浅めのプランターで育てられる

8位:ピーマン・ししとう

病害虫に強く、長い期間収穫できる。実がつきやすいので初めてでも成功しやすい。

ポイント:水はけの良い土で育てると元気に育ちます。

9位:パセリ

栄養価が高く、彩りにも便利。比較的手がかからず、長く収穫できる。

ポイント:日陰でもある程度育つのが魅力。

10位:えだまめ

土壌改良にもなる「マメ科」で、栄養価も高く夏の定番

ポイント:日当たりが良ければ◎

失敗しやすい野菜は?

ブロッコリー、キャベツ、白菜、とうもろこしなどは、病害虫対策や手入れも必要なため、初心者にはやや難易度が高い野菜です。まずは簡単なものからチャレンジし、日当たりや水はけなどの環境も考えながらステップアップしてみるのがおすすめ。

まとめ

野菜作りは、50代以上の女性にとっても「楽しみながら生活を支える」素敵な選択肢です。家庭菜園や市民農園など、ライフスタイルに合った方法を選び、自然とのふれあいを日々の暮らしに取り入れることで新たな発見や出会いもあるかもしれません。
まずは小さなプランターから、毎日がちょっと豊かになる体験をしてみませんか。