
50代に入り、少し時間にゆとりができた今、「何か新しい趣味を始めてみたい」「できればあまりお金のかからない趣味を」と考えていませんか? そんなあなたにおすすめしたいのが、俳句や短歌です。
たとえば、ふと心が動いたとき—美しい夕焼けに胸を打たれた瞬間や、何気ない日常にふっと湧いた感情—そんな思いを、短く美しい言葉で形にできたら素敵だと思いませんか?
「難しそう」「ルールが多そう」と思われがちですが、実は俳句や短歌はとてもシンプルで、始めやすい趣味なんです。 しかも、言葉を紡ぐこの活動は、脳に良い刺激を与え、心も整うという嬉しい効果があります。
今回は、主に50代以上の方に向けて、初心者でも気軽に始められる俳句・短歌の作り方と、脳に効くコツをご紹介します。
50代の脳と心に効く!俳句・短歌の魅力
50代は、子育てがひと段落したり、仕事に一区切りつく時期でもあります。その一方で、脳の働きや記憶力の低下が気になり始める年代でもあります。
実は、俳句や短歌を作ることは、この脳の活性化にぴったりの習慣なのです。
言葉を選ぶ作業で語彙力や記憶力が鍛えられる
俳句や短歌を作る際には、限られた音数の中でぴったりの言葉を探し出す必要があります。この「ぴったりの一語」を考えるプロセスが、語彙を広げ、記憶の引き出しを開け閉めする作業となり、脳の前頭葉を活発にします。日々の繰り返しで、自然と語彙力や言葉の記憶力が強化されます。
季節や自然を感じることで感性が豊かになる
俳句や短歌は、季節の移ろいや自然の美しさを詠むのが基本です。日常の中で「今日は風がやさしいな」「この花の色が少し違うな」と小さな変化に敏感になることで、感性が磨かれます。これは、心のアンテナが広がることであり、豊かな感受性が育まれる時間でもあります。仕事と子育ての忙しい日々から解放され、自分の時間を持てるようになる50代。あらためて気付く身近な自然の美しさを言葉に表し伝えてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
五感をフル活用するため右脳と左脳がバランスよく刺激される
五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)を使って情景や気持ちを言葉に置き換えることで、右脳のイメージ処理と、左脳の言語処理が同時に働きます。このバランスの取れた脳の使い方が、認知機能を活性化し、脳全体のパフォーマンス向上につながるのです。仕事で右脳と左脳、どちらかをメインで使うことが多かった50代の方にとって、バランスよく脳を使うことで脳のパフォーマンスもアップします。
自分の気持ちを表現することでストレスが軽減する
心の中にある思いやモヤモヤを、短い詩の形で外に出すことは、自己表現によるストレス解消法の一つです。言葉にすることで感情が整理され、「スッキリした」「前向きになれた」と感じる人も多いです。心理学でも、日記や詩作がメンタルケアに効果的だとされています。
つまり、俳句や短歌は、「脳トレ」と「メンタルケア」を同時に叶えてくれる、50代にぴったりの趣味なのです。
50代の初心者でも安心!俳句と短歌の簡単な作り方

まずは、それぞれの基本ルールを押さえましょう。難しく考えず、まずは楽しむことが大切です。
「今日はどんな景色に心が動いたかな?」
「今の気持ちを五・七・五や五・七・五・七・七で表すとしたらどうなるだろう?」
そんなふうに、ゲーム感覚で自由に言葉遊びをするつもりで始めてみましょう。正解も不正解もありません。気軽に挑戦することで、続ける楽しさがどんどん広がります。
俳句の基本
- 5・7・5の17音で構成
- 季語は必須ではなく、自由に感情や思いを表現
例:「春の雨 庭にしずくの ダンスする」
コツは、目に映った風景や感じたことを素直に言葉にすること。まずは、身近な季節の出来事や日常の一コマを題材にしてみましょう。
短歌の基本
- 5・7・5・7・7の31音で構成
- 季語は必須ではなく、自由に感情や思いを表現
例:「夕暮れに ひとりベランダ 風を待つ 遠くの雲に 明日をたくして」
短歌は、より自分の気持ちに寄り添った表現ができるのが魅力です。心の中にある思いを丁寧に言葉にするつもりで作ってみましょう。
50代からの脳に効く!俳句・短歌作りのコツ3つ

俳句や短歌をさらに脳に効かせるためのコツを押さえて、効果的に楽しみましょう。
毎日1句(または1首)作る習慣をつける
「1日1句」を目標にすると、継続的に脳が刺激されます。短くてもいいので、毎日少しだけ言葉を紡ぐことで、語彙力や記憶力の維持に役立ちます。
五感を使って表現する
「目にした風景」「耳にした音」「香り」「肌で感じた風」「味わったもの」…
五感を意識して詠むと、右脳が活性化し、創造力やイメージ力が高まります。たとえば、「春風の匂い」や「夕焼けのオレンジ色」など、感じたままを素直に表現してみましょう。
声に出して読む
作った句や歌は、ぜひ声に出して読んでみましょう。リズムが整い、脳の広範囲が働くため、記憶力や集中力がさらにアップします。
また、声に出すことで心がスッキリ整う効果も期待できます。
50代のソロ活!外出先でも家でも自分時間を楽しむ
俳句や短歌の魅力は、家でゆったりと楽しめるのはもちろん、外出先でも気軽に楽しめるところです。ふと目にした季節の風景や、心に響いた光景があれば、その場でスマホにメモしたり、写真に収めたりしておきましょう。後から家に戻って、撮った写真やメモを見ながらじっくり言葉を選んで詠むのも、また一つの楽しみ方です。日常の中に小さな発見を重ねていくことで、俳句や短歌の世界がさらに広がっていきます。
- 朝の庭先で一句
- 散歩中に季節の花を眺めながら一句
- 買い物に出て新鮮な野菜や果物、魚を見て一句
- お店の人の笑顔に触れて一句
- 学校帰りの子供たち、通勤する大人たちの様子に一句
- ベランダで夕焼けを見ながら一句
こうして日々の小さな気づきを言葉にすることで、家での時間が豊かで充実したものになります。
さらに
- スマホのメモアプリに記録して作品集にする
- noteやSNSで発信して仲間を作る
- 俳句・短歌のオンラインサロンや教室に参加して学びを深める
といった楽しみ方も広がります。
50代のソロ活ー今日からあなたも「詠み人」
50代は、これまで忙しくて見逃してきた小さな季節の変化や、自分の内なる声に気づける時期です。
俳句や短歌は、その気づきをやさしく言葉に変える素敵なツール。脳と心の健康にも効果的な、まさに一石二鳥の趣味です。
さあ、今日からあなたも「詠み人」として、新しい一歩を踏み出してみませんか?
あなたの心が動いた瞬間を、ぜひ一句・一首にしてみてください。
初心者におすすめの書籍
とは言え、「自分にはセンスがないし・・」「まずは基本的なルールを知りたい」
そんな初心者の方は入門書もおすすめです。読み進めるうちに「チャレンジしたい」と思えるかもしれません。
テレビ番組で有名になった夏井いつきさんの入門書。わかりやすい解説と高評価です。
短歌の歴史的背景や基本知識、テクニックや短歌を作る際のポイントも掲載。これから短歌を楽しみたい初心者にも読みやすい構成となっています。
まとめ:50代初心者「俳句・短歌」で心も整う

- 俳句・短歌は50代からのソロ活・新しい趣味にぴったり
- 脳の活性化、心の整えに効果大
- 初心者でも「5・7・5」「5・7・5・7・7」のリズムを楽しめばOK。ルールにこだわらず楽しむ。
- 毎日の習慣にすると、家時間がより豊かになる
あなたのペースで、楽しく続けてみてくださいね。